昌子ばあちゃんの思い

 間人に嫁いで45年がたちます。目の前が日本海。海辺の暮らしは初めてでした。枕元で波の音が聞こえて眠れなかったのが懐かしい。

 お母ちゃんたちの料理は豪快。鍋一杯に魚を炊きます。食べ方は、新鮮だから至ってシンプル。刺身でなければ焼くか煮るか。近所の魚屋さんでは春になると大きなマルゴ(ブリの一歩手前)の切り身が1パック100円で売っていました。「こんなに安いの?」と驚くと、「脂が抜けておいしいないからしゃあないわな」という返事でした。旬の魚も、捕れすぎると値崩れします。加工して保存するにも、みりん漬けか干物くらい。それもおいしいけど、いただく命をもっとおいしく食べられないかと、ずっと想っていました。

 旅館の厨房や保育園の給食も経験しながら、2009年に喫茶「ブルータンゴ」を引き継ぎました ここは、地域のコミュニティースペース。ここでつながるおじいちゃん・おばあちゃんの心はいつも温かい。海の恵みや山の幸を、いつも互いにおすそ分けして暮らしています。朝、お店に出勤すると、玄関にどっさり野菜が積んであったりします。早春はフキノトウが待ち遠しい。目の前で採る海苔が届くのも楽しみです。

 みんな、旬の恵みをどうやって食べたら一番おいしいかを知っています。ブルータンゴは、そんな知恵が集まる店でもあるのです。

 都会の暮らしに疲れたら、ごはんを食べに来てください。このおいしさを、あなたにも。自然の恵みを存分に味わい、心を豊かにしてさしあげたい。あなたにとって、丹後が第二のふるさとになりますようにと願っています。